2012年4月8日日曜日

買い物放浪記

15年前には,段ボール箱20個を越える荷物を持って台湾に赴任した。現地で何が手に入るのかもよく分からず,一人暮らしとは思えない大量の荷物を抱えて台北にやってきたのだった。

15年後の今回,私が日本から送った荷物はいちばん小さなサイズの段ボール箱4つ。作りかけの本のための資料がなければ3箱で済んだろう。しかし,いくらなんでも,これは少なすぎた。家具付きのマンションに入居したとはいえ,日常生活を送るために必要な品々は数知れず。ここしばらくは,足ふきマットやら食器かごやらおたまやらを求めて台北の町をさまよう日々である。1年半後には不要になるかもしれない細々とした品物を買いそろえるのはけっこうなストレスだ。

そんななかで大いに助けられたのが,出発前に同僚から教えてもらった台北ニトリとIKEAの存在。この二つ,なんと隣りどうしである。


どうしてもNOKIAと言い間違えてしまう,おばさんの私。

北京語読みでは「イーダーリ」

イケアは広い。当然ながら,品物がひとつひとつ大ぶり・肉厚な北欧テイストで,「何に使うんすか?」という商品もある。目的を絞らず,店内をぶらつくのが楽しい空間だろう。他方,ニトリは店面積がぐんと小さいこともあって,コンパクトな店内に台所用品や掃除用品が機能的に配置されている。買い物メモを片手に日用品を買うのなら,こちらのほうが効率的。

この二軒に,台北駅前のKモールのなかに入っているダイソーと無印を加えれば,当座の生活を始めるのに必要な物資はほぼなんでもそろう。今日はまず,許昌街の阿泉麺線で臭豆腐とカキ麺線のお昼で腹ごしらえを食べてから,KモールへGO!

阿泉麺線は近くの予備校に通う学生や勤め人でいつもおおにぎわい。

ここの臭豆腐は二度揚げするため,サクサクしていて本当においしい!

町中にはもっと安くてそれなりの質の品を売っているお店があるし,台湾で生活をするのに日本からの輸入品をわざわざ買うのには気後れするのだけれど,出発前の荷造り,到着後の家探し,各種の事務手続きに走り回ってヘトヘトの身には,使い慣れた日用品がまとめて調達できるこれらのお店の存在がありがたい。


台北でもMUJIはおしゃれな空間だった

ダイソーは39元(約100円)ショップ
買い物の途中であちこちに寄り道をしてみると,出張で来ていたときには目に入らなかった台北の消費文化の新しい顔が見えてくる。台北駅の北側にできた一大コンプレックスの「京站」にどぎもを抜かれたり,高級パン屋のPaulがあるのに驚いたり,ロクシタンがコンビニ並に林立しているのが心配になったり。

台湾の人たちが,京站や微風広場といった高級ショッピングモールでも,短パンにサンダル履きの気楽なかっこうでわいわいとウィンドウショッピングを楽しんだり,一家総出で豪華な空間を見物したりしている様子を見るのも楽しい。東京ではデパートに行く時でも,「う・・このかっこうでは入れない」と気後れしてしまうことがあるが,台湾では開かれた空間に入るのにそんな自己規制は不要だ。

15年前,時たまリージェントホテルやグランドハイアットに行くたびに,いいなーと思ったのが,台湾の人たちがTシャツ姿やジーパンで高級ホテルのロビーに出入りする姿だった。台湾では,作った側がどんなに「高級な空間です」ときばって押し出しても,人々がそれを自分たちの側に引きよせて,どことなく大衆的な親しみやすい空間へと作り替えていく。経済格差が広がりつつある台湾社会だが,持てる者が決めて見えないルールとして他者に押しつける「格式」とか「TPO」といった枠をいつのまにか破っていく台湾の庶民のパワーは,今も健在であるようにみえる。

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